アイコン第4回 すまいる学級

テーマ:『子どものスポーツ』における研修会
「スポーツ障害の基礎知識」  講師:喜多岡 健二氏(喜多岡整形クリニック院長)
                       (松山市体育協会スポーツ科学委員会委員)
「スポーツトレーナーの役割」  講師:島崎 勝行氏(日本体育協会公認トレーナー)
                       (松山市体育協会スポーツ科学委員会委員)
アイコン☆家庭でできるストレッチング〜お子さんといっしょにいかがですか!?〜
日時:平成13年12月5日(水) 18:50〜21:00  場所:松山市青少年センター3F 大ホール

スポーツ障害の基礎知識スポーツ科学1

  1. スポーツ障害の原因・発生機序
    • 局所の使いすぎ(オーバーユース)、局所の疲労
    • 予防には休養とストレッチ・筋力強化が有効
  2. スポーツ障害の要因
    • 長時間の練習(週14時間以上6.3% 以下2.9%)
    • 多すぎる試合数、休養不足(休むのも練習のうち)
    • 画一的な練習内容、誤ったフォーム
    • 痛みを無視した練習
  3. スポーツ障害の背景
    • 障害に対する知識不足
    • 勝敗への強いこだわり
    • 非科学的なスポーツ活動(痛いのはあたりまえ、動かしていたら痛みも取れる)
    • 保護者による圧力(指導者に勝つことを要求する)
  4. スポーツ障害の予防
    • オーバーユース(使いすぎ)が原因…練習時間の問題
    • 適切な運動の量と質を絶えず考える。 自分の体力に合わせて運動する。
    • 効果のあるストレッチに尽きる。(発育期は骨の成長で絶えず筋肉や腱が引っ張られている)
    • なぜストレッチをするかを理解する。
    • 柔軟性を増すことで障害発生が防げる。(20秒程度伸ばさないと効果がない)
    • ウォームアップとストレッチは違う。
    • 運動後のクールダウンはその日の運動による筋肉疲労の回復のために必要。
    • ストレッチが有効である。
    • 障害のセルフチェック…体調が悪かったり痛いところがあったら自分から申し出る環境。
    • 痛みを無理しない。
    • 障害が発生したら必ず痛みが出ているはず。度を越した努力は怪我のもと。
    • 指導者・保護者への情報提供と医療スタッフとの連携。
  5. 子どものスポーツ障害の種類Iイラスト
    • 骨端線障害・骨端核障害−骨の成長により靭帯・筋肉の成長が遅い
      オスグット(12・13歳がピーク)  リトルリーグ肩
    • 剥離骨折−骨の方が靭帯よりも弱い。 股関節周囲
    • 疲労骨折 下腿・足部 腰椎分離症
    • 付着部炎 テニス肘 ジャンパー膝 野球肘
    • 骨腱版損傷 投球肩
    • 軟骨障害 膝蓋骨軟骨軟化症
  1. 大人のスポーツ障害の種類
    • 筋・腱障害・損傷 アキレス腱炎・断裂、肉離れ(テニス脚)、ジャンパー膝、腸脛靭帯炎
    • 変形性関節症 野球肘、サッカー膝、フットボールアンクルの後遺症
    • 付着部炎 テニス肘
    • 疲労骨折 疲労性骨膜炎
    • 腰痛症 筋筋膜性腰痛症、腰椎椎間板ヘルニア
    • 肩関節痛 スイマーズショルダー
     
  2. スポーツライフマネージメント
    競技力向上のためには、効果のあるトレーニング
    • 基礎体力の充実が第一 その上に技術力・精神力
    • スポーツ障害の予防 痛みのある身体では満足なプレーはできない
柔軟な体
充分な筋(腹筋と腿四頭筋)
貧血の予防
パワー・スタミナ・スピードのアップ
  1. 合理的なライフスタイル
    • トレーニング・食事・睡眠のタイミング
    • トレーニング後30分以内の食事
    • 15分のダンベルエクササイズ
  2. コンディショニング(トレーニング計画)
    • 体のセルフチェック GCリストの作成
    • 障害のセルフチェック
  3. 最後に
    • 体にとって心地よいこと、楽しいことが基本で、痛いこと苦しいことは体の発する危険信号と考えて、充分注意して対応すること。
    • トレーニング効果を上げるには休養が必要。パワーアップには栄養、トレーニング、休養の3拍子が揃うことが必要。
  1. トレーニング後30分以内の食事
  2. 15分のダンベルエクササイズ
  3. 障害のセルフチェック
  4. 腹筋と大腿四頭筋の強化
発育期の体力トレーニングの基本的な考え方イラスト
  • 筋・筋パワーのトレーニング
    • 骨や筋肉の成長がほぼ完了しかけた発育スパート後が効果的。
    • 骨の成長期には、骨の特定の部位に過大な負荷をかけない慎重なトレーニングが必要。
  • 持久力トレーニング
    • 発育期を通して行っても良いが、小学校期ではもともと最大酸素摂取量に優れているためパフォーマンスの向上はほとんど見られない。
    • 呼吸循環機能の発育が著しい発育スパート期より効果的となるが、オーバートレーニングに注意しなければならない。
  • 神経系のトレーニング
    • 脳の重量は7〜8才までにほぼ成人期に達する。幼児期から、少年期は、神経系の発達が極めて顕著なので、この時期にコントロール系の力(調整力)を高めることが必要。
    • 体の形態が変わってくるので、基本的な動きのトレーニングは発育期を通して行う必要がある。

骨・関節の発育・発達
  • 骨の成長
    • 軟骨が非常に多く弱い子どもの骨から、徐々に、長く太く強い成人の骨へと成熟していく。
    • 骨の長さは、骨端軟骨が増殖し、骨に置き換えられることによって伸びる。発育期の終わりになると、狭くなり、骨端線になる。
  • 子どもの骨・関節の特徴
    • 子どもは、関節を構成している2つの骨をつなぐ靭帯が、骨よりも丈夫であるため、靭帯そのものが損傷を受ける以前に、骨端線の損傷や骨折をきたしてしまうことのほうが一般的である。
    • 骨に比較して、筋肉・腱の発育・発達はゆるやかなために、筋肉・腱は短縮し、常に緊張を受けやすい状態にある。そのため、骨への付着部の損傷が多い。スポーツ科学2
    • 急激な身体の発育に相応した筋力がついていないために腰痛、膝関節痛をきたすことがある。

ストレッチングの実習

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